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「そのひとりのキャリアストーリー vol 9」 バレエ専門デザイナー 大久保春香さん
2022.09.04
インタビュー
バレエを通した「そのひとりのキャリアのストーリー」をご紹介するシリーズ。
9回目の今回は、バレエ専門デザイナーの大久保春香さん(以下、春香さん)のインタビューです。
春香さんは、アメリカのバレエ団にソリストとして招かれ、帰国後はバレエダンサー・指導者・振付に携わった後、舞台メイク会社へ就職。
結婚・出産を経て、バレエ専門デザイナーとして開業されました。
大久保春香さん略歴
兵庫県芦屋市生まれ。
4歳よりバレエを始める。
第13回 こうべ全国洋舞コンクール ジュニア2部第4位、高校在学時よりクラス指導にも携わる。
ニューヨーク・スペイン・カナダにて研修。
第23回 こうべ全国洋舞コンクール 女性シニア第2位、NBA全国バレエコンクールにてディレクターに招かれ、North West Florida Balletにてソリスト契約。
帰国後はダンサーとして活動する一方、生徒の指導・振付にも携わる。
第25回 こうべ全国洋舞コンクール 女性シニア第2位、第16回 ザ・バレコン名古屋 女性シニア第2位。
2013年、第16回 NBA全国バレエコンクール 女性シニア第1位、東京都知事賞など、受賞歴多数あり。
結婚・出産を経て、第2子妊娠を機にグラフィックデザイナー講座を受講。卒業後1年での制作件数は200件にも及ぶ。
2021年、coco designを開業。バレエに関するデザインを主に手がける。
ホームページ:「coco design」 https://co-co-design.com/
【バレエダンサー、バレエ講師からのキャリアチェンジ。感性が生きるデザイナーの仕事】
添田「今回は、お仕事も色々とご一緒させていただいている大久保春香さんにお話をお伺いいたします。どうぞよろしくお願いします。
最初に、今のお仕事についてお聞かせいただけますか?」
春香さん「よろしくお願いします。今、バレエに関するデザインを専門とするデザイナーをしています。
業務内容としては、バレエ教室やバレエ団のホームページ制作、
発表会のプログラムや生徒さん募集のチラシなど印刷物関係をお作りしています。」
添田「今のお仕事の調子はいかがですか?」
春香さん「バレエ専門デザイナーを始めてまだ1~2年ですが、バレエの発表会プログラム等は毎年制作しますので、
一度ご依頼いただくと続けてご依頼いただくことがほとんどで、ありがたい事に現在はいつも手一杯という感じです。」
添田「私も、お仕事の作品を拝見させていただくことがありました。
バレエの踊りと同じように、その経験の分だけ、春香さんの感性が出ているデザインだと思いまして。」
春香さん「ありがとうございます。」
添田「春香さんはバレエを何歳から始めたのでしょうか?」
春香さん「4歳から自宅の近くのお教室でバレエを始めました。
どこで何を見たのかわからないのですが、突然バレエをやりたいと自分から言い出したらしいのです。
母にバレエ教室3か所くらいに見学に連れて行ってもらって、自分でここがいい!という教室に決めて始めました。」
添田「バレエを習い始めた当時は、いかがでしたか?」
春香さん「もう楽しくて、先生も好きで頑張りました。
幼稚園の時からレッスンの1時間間前くらいに行っていて、
小学校に上がってからは、前のクラスが始まる前から行ってお手伝いをしてから、自分のレッスンを受けていましたね。」
添田「素晴らしい。バレエの他に習い事はしていなかったのですか?」
春香さん「他にはプールやピアノを始めたのですが、全然続かなくて。
バレエだけはもっと行きたい、もっと行きたいって感じでしたね。」
添田「週に何回レッスンに行っていましたか?」
春香さん「幼稚園の時は週2回、小学校に入ったら週3回からスタートして、4年生あたりでは週5回とかでした。
レッスンがない日は自宅でレッスンをしていました。」
添田「すごいですね。コンクールにも出場されていましたよね。」
春香さん「出ていましたね。
今は幼稚園ぐらいからコンクールがありますが、
当時は(出場できる)最年少が5年生ぐらいだったので、そのあたりから出ていました。
地元、兵庫県のこうべ全国洋舞コンクールに毎年出ていて、大きくなってから名古屋、東京へも出場したりしていました。」
添田「コンクールに出場するのと、発表会や公演に参加するのでは、どちらがやりがいを感じました
か?」
春香さん「やりがいがあったのは公演です。
全幕に出演するような機会があれば、一番やりがいがを感じましたね。
外部の公演のオーディションを受けて役をもらって踊ることになれば、
自分が普段一緒にレッスンをしている仲間以外の方を見ることができるのですごく刺激にもなるし、
もし客演のダンサーが来ていたら、それだけでも見応えがあって勉強になるので、好きでしたね。」
添田「バレエの道に進むことを考え始めたのはいつぐらいでしたか?」
春香さん「小さな時からバレリーナになりたいと言っていたので、バレリーナになるか、
バレエの先生になるか。とにかくバレエに関わる仕事がしたいと思っていました。」
添田「海外にも行かれていましたよね?」
春香さん「はい。先生の方針で、留学がブームになり始めた時でしたが、
『学校に行くだけだとなかなかバレエ団に入れない子が多いから、バレエ団に直接行った方がいいじゃないか』
という感じだったので、まずは日本で指導もしながら頑張りました。
それでコンクールの審査に来ていたアメリカのバレエ団の先生に声をかけていただいて、まずは1年間契約させていただいて。
リーマンショックがあって、次の年にVISAが降りなくなってしまって帰ってきたのですが。」
添田「そうだったんですね。帰国されてからのお仕事はどうされましたか?」
春香さん「アメリカへ渡る前もバレエの先生をやっていたので、帰国後もバレエの先生をやりながら踊っていたのですが、
20代後半になる前に、このままの仕事をやり続けるのはどうかと思い始めました。」
添田さん「結構そう思った時期が早いですね。」
春香さん「そうですね。結構先々のことを考えちゃうタイプで、今も老後のことを考えてワクワクしています。
当時色々とうまくいかなくなったこともあり、これから将来のことを考えたらこのまま続けるのはどうかと思ったのもあって、辞めることにしました。」
添田「結婚する前にバレエを踊ること、教えることから、キャリアチェンジしようと考えたのですね。すごいですね。」
春香さん「そうですね。でも自分は身体能力的にバレエに向いてないんです。
妹がいるのですが、妹の方がバレエに向いていて。
私はバレエ大好きだけど、どこかで辞めたい気持ちもあって。
でもバレエが好きだし、所属しているバレエ教室も大好きだったので、辞め時が分からないのもありました。」
添田「今の言葉、すごく響きます。辞め時が分からないという方、多いですね。
そのことを考えて私自身、バレリーナの娘にも『やり切ったら自分で決めればいいじゃないの』、と言っています。
それで、春香さんがキャリアチェンジをされたのはいつでしたか?」
春香さん「25歳くらいですね。」
添田「早いですよね。」
春香さん「バレエを辞めてからまずはいろんな世界を見たくて、1年ぐらい色々なアルバイトをしてい
たんです。それから舞台メイクの会社に入社して会社勤めをしました。
そのころに結婚が決まっていて、半年後に結婚して、またその半年後に妊娠・出産・産休・育休に入って。
一人目の子の育休から職場復帰したと同時に二人目の妊娠が分かって、またすぐ産休に入りました。
いるのかいないのかわからない社員になっていましたが、会社では皆さんにとっても良くしていただきました。」
添田「なるほど、産休続きですね。」
春香さん「それで、二人目の産休中にデザインの仕事を勉強し始めたのですが、
復帰前にデザインの仕事を始めていたら順調に忙しくなってきて、
このままデザインの仕事をしていたら復帰できないなと思っていたら、
コロナ禍で舞台メイクの仕事が不況になってしまって、
大阪事務所をたたもうという話になりまして、そのタイミングで辞めました。」
【父は建築、母は美術。デザインは幼少期から身近なものだった】
添田「そもそもデザインの仕事をなぜ始めたのでしょうか?」
春香さん「多くは両親の仕事が影響しています。
母が美術関係で、父がもともと建築関係で、小さい時から身近だったんですよね。
お絵描きを家でやっていたのですが、色鉛筆やクレヨンも使うけれど、デザインソフトも使ってみて、と指導を受けていました。」
添田「英才教育ですね。」
春香さん「そう、こっそり英才教育をされていて、その時にデザインソフトに触れた記憶があったんです。
ずっとそういうデザインの仕事には憧れていて、バレエをやっているときも、
プログラムはもっとこういう方がこの公演には合うのに、チラシももっとこうした方がいいのに、
と考えていました。
それで今は、バレエに関連して、ずっと手元に残しておきたい…と思ってもらえるようなデザインを目指して制作させていただいています。」
添田「先生方にとって発表会のプログラムのデザインや、チラシのデザインって重要ですよね。」
春香さん「そうですよね。
公演後、お客様の手元に残る物はプログラムしかないわけなので、
この公演はこういうのだったなと思い起こせるようなプログラムだったとしたら、ずっと保存してもらえるだろうし、
公演の思い出も残っていくだろうから、とても重要だなと思っています。」
添田「今のお仕事はそういった背景があったのですね。
春香さんが、結構早い段階で先々のことを考えてキャリアチェンジされたことに驚きました。
思い切りがいいですね。」
春香さん「はい、タイミングよく。」
添田「バレエを踊っていた方が違う仕事につくときに、周りからの言葉や、
自分自身の不完全燃焼的なものがあって悲観的になってしまう方も少なくないようですが、
それは全くなかったですか?」
春香さん「ずっと小さい時からバレエをやってきたので、他の世界を知らないという不安はありましたが、
辞めてみたら結構すっきりして、ダンサーに戻りたいとは思いません。
世界はこんなに広かった、という衝撃はありました。
4歳からバレエを始めて朝から晩までレッスンしていたら、テレビもほとんど観ませんし。
一般の世界に来てみると、ここではバレエは全然知られていないのだなということにも衝撃を受けました。
すごく小さい世界にいたのだなと思って。」
添田「外の世界を見たときに、何を感じましたか?」
春香さん「すごく自由を感じました。
バレエでは強要されているわけでなくても、自分でこうしなきゃ、ああしなきゃとすごく頭が固くなっていて、
自分自身で足かせをはめているみたいなところがありました。
例えば、レッスンの何分前にはスタジオに着いてストレッチしなくてはいけないと自分に課していたり、
3日は休めないとか、ストレッチは絶対毎日やらないといけないとか、
何よりもバレエを優先しなくてはいけないという思いで自分をがんじがらめにしていましたね。
辞めてみると、なんだ、ストレッチをしなくても生きていけるんだ、と。」
添田「いいお話ですね。価値観が全然違いますよね。食事に関してはどうでしたか?」
春香さん「踊っている最中は食事制限をしていましたね。
重くなると踊りにくいので、夕飯は半分くらいにして残りを朝に食べるとか。
その癖がなかなか抜けなかったのですが、妊娠してお腹がすき始めてようやく自由に食べることができました。」
添田「筋力がだんだん落ちることについての違和感はありませんでしたか?」
春香さん「そこに関してはありましたね。
筋力が落ちることや身体が固くなっていくのがなんか気持悪いなって感じでストレッチとかバーレッスンぐらいはやっていたのですけど、
だんだん平気になって、妊娠が言い訳になって、まあいいかみたいな。」
添田「妊娠をきっかけにどちらかというと自分を許してあげてあげるみたいな、
もういいのだよと。」
春香さん「そうですね。
その『いいんだよ』が中々できなかったので、
きっかけを作ってくれた長女にはそういった意味でも本当に感謝しています。
あなたが来てくれたおかげでママは緩みましたって。」
添田「今、お子さんはおいくつですか?」
春香さん「4歳、2歳、0歳です。」
添田「一番上の長女さんはバレエをやりたいって言いませんか?」
春香さん「意外とまだ言わないです。
妹は現役ダンサーなのでしょっちゅう見に行ったりするから、
いつ言い出すかなってドキドキしているのですが、今のところ言われていません。」
添田「いつ言われるかドキドキですね。」
春香さん「長女がやりたいって言いだして、次女もやりたいって言いだす。
そして次女の方がバレエ向きの身体をしているって、自分を見ているようで、大変なことも知っているし、
子どもがどうしてもやりたいって言いだしたらしょうがないけど、こちらからやらせはしないかな。
子どもがやり出したとしたら、レッスンから帰ってきてから家でも何か言ってしまいそう。
くつろいでほしいのに。そんな自分がいるんですよね。」
添田「春香さんがお子さんの時、親御さんは何か春香さんに言葉かけをしていましたか?」
春香さん「うちの親は全然何も言わなくて、応援するけど無理しないでねぐらいな感じでした。
自分もそういうスタンスでいたいですが、バレエだとそうはいかないと思うから、口出ししてしまいそうで怖くて。
うまくお母さんと関わって、それで上手になっていく子もいますが、家は寛ぐ場所にしてあげたい。
自分でやるのは自由だし、応援するよという形でいきたいという理想があるんです。」
添田「上のお子さんは保育園でいろんな経験をしている中で、何かやりたいとか言いますか?」
春香さん「とにかく制作が好きで、絵を描くことや、何かを作るのが好きで、
我が家はそっちなのかなと。」
添田「クリエイティブなご家族ですね。やっぱりバレエもそうですけどね。」
春香さん「やっぱり芸術関係が好きなのかな。
私は小さい時からバレエ、ミュージカル、お芝居、日舞を見たり、美術館にもよく行っていて、
あとから培えないものを培うことができたと思うので、親にはとても感謝しています。」
添田「私が春香さんと最初にお仕事でやり取りをさせていただいた時に印象が強かったのは、
一般社会的なビジネス文書をきちんと書いて下さることと、
レスポンスも早いので非常にお仕事がしやすいということです。
感謝しています。
お勤めを実際に経験されているので違う世界を学ばれたからかなと思いました。」
春香さん「お役に立てているのであれば嬉しいです。」
【バレエ経験から得た強い精神力と臨機応変に対応できる柔軟性】
添田「さて、もう少しバレエ経験とキャリアチェンジについて詳しく聞かせてください。
バレエの世界に長くいると当たり前に思えるようなことでも、一般の方の感覚とはずれていると感じる機会はありませんか?
うちの娘も百貨店のアルバイトの面接で、『社内で馴染めるかって聞かれた』と言っていました。
春香さんは、キャリアチェンジした時の会社の面接ではどうでしたか?」
春香さん「会社の面接では、舞台メイクの会社だったので、
むしろ話が盛り上がって30分の予定の面接が1時間半程になってしまいました。
東京から社長と課長が来て面接していただきましたが、
もうその時点で雇うつもりで商品の説明をしていただけたりして、気に入ってもらいました。」
添田「それはよかったですね。舞台で、その会社の商品を使っていたんですよね。」
春香さん「はい、もちろん。どうらん、お粉、フェイスケーキとか。」
添田「バレエをやっていたことが就職に役に立ちましたね。
入社した会社や今のお仕事を含めて、これまで仕事をしていく中でバレエ経験を活かせていると感じることはありましたか?」
春香さん「バレエ経験を活かせているなと感じるときは、何かを突き詰めている時です。
バレエでは1曲踊るにしても、とても多くの下準備をします。
例えば、踊る曲が決まれば、古い映像も引っ張り出して研究して、
自分で稽古して、踊れるようになってもさらに良くするために練習をします。
そういったことを仕事でも同じようにやっていきます。
会社勤めの時には、どういう言い方をしたらよいかを深く考えました。
例えばFAX一枚送信する時にも、『この書き方で良いのかな』と考えます。
仕事では舞台メイクの講習会をすることが多かったのですが、
この説明の仕方でわかりやすいかどうか研究して。
もちろんそのメイクも練習をしました。
今の仕事であれば、一つのデザインができたときに、一晩寝かせて翌日にもう一度見て、
ミスがないか確認し、1日置くことでほかのアイディアが出てきたら、もう一案考えてみる。
そのためにも色々、情報を出して研究します。
ある程度できたところで満足せずに、どこまでも突き詰めていく姿勢は、バレエをやっていたからこそ染みついていると思います。」
添田「バレエをやっていたこその突き詰める姿勢はアピールポイントですね。
10年前と違い、今の社会はキャリアチェンジすることが当たり前と認識されるようになってきているので、
採用する企業側でも、特技を活かしてどのように仕事で活躍してもらえるか考えてくださることが多いのではないでしょうか。
春香さんの仕事にかける姿勢についてお伺いして、
なるほど、だから文章をいただくときや、やり取りをする中でも細かいところまで見ていらっしゃるのだなと感じました。
素晴らしいと思います。」
【結婚・出産・子育てと起業を経た、これからの人生設計】
添田「これからのご自身のお仕事や人生設計、
お子さんの将来のことについてなど、どのようにお考えですか?」
春香さん「直近の未来では、2年後に長女の小学校入学が迫っています。
小学校に入学したら、放課後に学童保育に通っても、時間的には保育園よりは早く帰宅することになります。
その他に夏休みなどの長期休暇があることも考えると、保育所よりも家にいる時間が増えて、関わる時間も増やす必要があります。
やはり母親として家にいて子どもが帰るころには自宅で迎えて、一緒に楽しく過ごしたいと思うので、
この2年ぐらいで今の仕事を軌道に乗せることが今の課題です。
現状は常に忙しい状態で、
アシスタントさんをお願いするのか、会社にするのか、
方向性を考えて、子どもや家族の時間を取りながら好きな仕事をして、どちらも楽しい状態で老後を迎えられたらいいですね。
生きていくためには、仕方なく(仕事や生活を)やらないといけない、と考えるタイプと、
仕事が生きがいで、とにかく仕事をしたいというタイプと2つに分かれると思います。
バレエをされている方は後者が多いかなと思うんです。
私にとっては仕事は生きがいであり、家族の時間も大切だから、
上手にバランスをとっていきたいと思っています。」
添田「素敵ですね。お料理とかはどうされていますか?」
春香さん「料理はもちろん作っているのですが、子どもが三人いて仕事もしたいし、
大変だから土日は料理を旦那さんの当番にしてもらっています。
その分、平日は私が頑張って作るように分担しました。
家事も育児も旦那さんと協力して楽しんでいます。
旦那さんはどちらかというと家族で一緒に楽しんでいたいというタイプなので、
土日は子どもと一緒にお好み焼きを作ったりすることが楽しいみたいです。
だからお互いが協力しあって、楽しいことをバランス良くできるのが一番いいかなと思っています。」
添田「お仕事は在宅でできるというメリットもありますよね?」
春香さん「そうです。
在宅なので仕事の途中で家事などいろんなことをこなせますし、
もし子どもが熱を出したりしたらすぐに迎えに行けます。
参観や懇談も3人いるとしょっちゅうですね。」
添田「そこは、お勤めしていると早退することで気が引けてしまって大変ですよね。
仕事と家事、子育てとの両立は、バレエ経験あるなしに関係なく、仕事を持つ親の悩みですね。」
春香さん「そうなんです。
その点ではこの仕事でよかったなと思います。
会社勤めだと自分でやらなければならないことはある程度決まっていますが、
自営業は自分で仕事を作り出していく感じなので、自由に好きなことができる。
思いついたこともすぐ具現化できます。
会社勤めであれば企画書を出して、提案を通して・・・と、手続きを踏まなければなりませんが、
自分次第でスピード感をもって仕事ができるので、とてもやりがいがありますね。」
添田「すごく行動力がありますよね。」
春香さん「そうかもしれないです。思い立ったらすぐみたいな。」
添田「バレエをやっていると、その経験を通して行動することへあまり抵抗がなくなるのかも知れませんね。」
春香さん「それはあるかも知れません。」
【バレエをやっている方、バレリーナを目指す方とその親御さんへのメッセージ】
添田「今、子どもがバレリーナを目指している方、
バレリーナになっていてこれからどうしようかと考えている方へ向けて
何かメッセージがありますか?」
春香さん「そうですね。
私はバレエをしていてよかったなと思っているし、辞めてよかったとも思うし、どちらも良かったと思っています。
もし、バレエを辞めていなかったらきっと結婚もしていないし、
子どもも産んでいないし、今の仕事もしていない。
バレエが大好きでバレリーナになりたいと思っていることはすごくいいことだし、応援します。
でも、ずっとバレエをやり続けなければならないという事はないと。
絶対バレエだけじゃなきゃいけないこともない。
『私にはバレエしかない』と思っている人は多いと思うのです。
それも正解だし、そうじゃないことも正解だよって伝えてあげたいです。」
添田「素晴らしい言葉ですね。
これからバレリーナを目指す人だけじゃなく、
これからキャリアチェンジしようかと悩んでいる人にも共通ですよね。
違う世界も面白いということですね。」
春香さん「今までやってきたことが絶対活きてくるから、そこは心配しなくていいです。」
添田「先輩の言葉、ありがとうございました。」
~編集後記~
春香さんの、終始生き生きとお話しされる姿がとても印象的でした。
今回お話をお伺いした春香さんは、バレエ経験を経て、
ご家庭の環境から自然と触れてきたクリエイティブな世界の扉を開かれました。
バレエで培った知識や経験を融合させて、起業という選択をされました。
幼少期に自らバレエの道を目指し、その道を突き詰めたとしても、
キャリアチェンジという「人生の選択」をするときが遅かれ早かれ来る可能性があります。
バレエを続けている方の中には、引き続きバレエを突き詰めて、
その道のプロとして活躍し続けることを選ぶ方もいます。
そして、もし別の道を選んだとしても、
バレエを通じて身に着けた身体能力や精神力、柔軟な考え方、
全ての経験は、その後の人生で必ず活きてきます。
春香さんが仰るように、どの道へ進んだとしても、
ご自身が望み、やり切ったことでの成果であればどの選択肢でも正解なのでしょう。
この記事を読まれた方の選択の後押しになれば、とても嬉しいことです
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回のインタビュー【そのひとりのキャリアストーリー】も、お楽しみに!
バレエを学ぶお子様、親御様のご相談を個別でお受けしています。
コミュニケーションの取り方、言葉の掛け方、言葉のチョイスなど、
コーチング理論に基づき、お伝えします。
バレエ教室にて座学講座を開催し、生徒様や先生方のサポートもお受けしています。
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